一日一日を再生し続ける人々 -ボリビアの女性たちとのLived experiences-未分類 暑い日々が続いておりますが、お元気でしょうか? 今年の夏、ボリビアと日本を繋いでこられた素敵な女性たちと出逢いました。ひとりは『ラパスの青い空』の著者、下村泰子さん。もうひとりは、同じくボリビアの女性たちの手仕事を応援する活動をされてきた高橋由子さん。 JOELに繋がる人たちの中に、きっと見知らぬ土地で出会った人たちに、あたたかく受け入れてもらえたような、心熱くなるご経験をされた方々が少なくないと思います。 泰子さんの本を開くと、そんなご経験をされた日々、そしてページの向こうに広がるのは、標高3,600メートル以上あるラパスの青く広大な空と、色鮮やかな織物を織りあげる女性たちの姿が目に浮かんできます。 女性たちのおしゃべり冷たい夜に飲むマテ茶の温かさまで伝わってくるようで、読みながら胸の奥に懐かしい風が吹き抜けました。著者の泰子さんは、ボリビアでのご経験(Lived experiences)を色々な人に読んでもらうことで、一層広がったり、深まったり、そんな風に分かち合えたら、と手紙を綴るようなお気持ちで執筆されたそうです。 「長い歴史を通じて逆境にみまわれ続けてきたボリビアの人たちが、それを乗り越えていく過程でみがいてきた「生きる」ことに対する姿勢が、その時々の表情に表れているのです。彼らはまさに、一日一日を再生し続けている人たちでした」という部分が特に印象的でした。 本の中に描かれた「その時」を生きる様は、暮らしを編み込み、分かち合う人々の強さと優しさがあったからだと思います。 そして、由子さんは、長年ボリビアの女性たちが手作りした商品を日本で販売する活動をされており、JOELと分かち合えることが多く、話が尽きませんでした。そんなお二人にお会いし、ボリビアでのご経験についてお聴かせていただき、心より感謝申し上げます。 今、改めて思うのは「lived experience(生きた経験)」の力です。それは数字や肩書きでは語れない、一人ひとりの人生に刻まれた時間の積み重ね。喜びや痛み、手の感触やその時目にした景色、誰かと交わし合った言葉 – そうしたまっすぐな経験が、文化を育み、人と人をつなぐ礎になっているのだと思います。皆さんにとって人生を変えるような大切にしている“lived experience”はどんなものですか? JOELの活動と共に、研究している「社会的連帯経済」難しくて毎日頭を抱えていますが、その本質は、人間らしく生きることをあきらめないこと。人と人との支え合いを取り戻す挑戦なのだとお二人との出会いを通じて改めて気づかされました。 ボリビアの青い空の下で生まれたものづくりが、これからも、皆さまの日常にあたたかな希望の光をお届けできますように✨ 2025年9月4日/作成者: Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg 0 0 Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg Jose2025-09-04 21:21:052025-09-05 09:34:53一日一日を再生し続ける人々 -ボリビアの女性たちとのLived experiences-
年末のご挨拶 – 感謝の気持ちを込めて-未分類 日頃より JOËLをご支援いただき、心より感謝申し上げます。 本年も、遠くアンデス地域からお客様へ、人や地球への「想い」をお届けすることができました。 今年も活動を通じて素敵な出逢いに恵まれ、皆様から「生きる力」をいただきました。本当にありがとうございました。また、念願だった作り手の国であるボリビアへ訪れることが出来、実りある年になりました。 今後のこと、新しい商品の相談も大切ですが、 パンデミック中、どのような経験をして、今だから話せる気持ち、そして、どのように歩もうとしているかをお互いに分かち合えた大切な時間でした。 (織り手・Teofilaさんとの対話@エルアルト地域の工房にて. 織り途中のマフラーを手元に持ちながらお話してくれました♪) 「売れるデザイン」づくりが難しい生産者は、例えエシカルやフェアトレードであっても活動自体が市場から消えてしまう・・という現状に対し、まだまだ持続可能な経済に向けて取り組むべきことが沢山あると言えます。リサーチと実践現場の声をいかに繋げていくか、まだまだ模索中です。 これらの活動が続けられるのは、お気持ちを寄せてくださるお客様、お取り扱い店様をはじめとするお仲間、友人達、見守ってくださる皆様のおかげです。皆様とのご縁を大切に活動を続けていけたらと願っております。来年も引き続き、サステナブルなものづくりを通じ、人々が尊厳をもって生きられる社会を目指してまいります。年末にあたり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 We appreciate all of your cooperation this year.We wish you a joyous holiday season and a New Year filled with peace, hope and happiness! 2024年大晦日 JOËL 猪岡 愛佳 PS. 以下、ボリビアの連帯経済支援団体に描かれた壁画と共に♪ 良いお年をお迎えください! (連帯経済支援団体に描かれた力強い壁画@ラパス県エルアルト市にて. 女性たちが尊厳や自由を訴えているように表現されており、その力強さに魅かれます) (こちらも大好きな壁画。日常的な女性たちの姿を通じ、世代から世代への繋がりが表現されているのが印象的です) 2024年12月31日/作成者: Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg 0 0 Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg Jose2024-12-31 15:42:052025-01-01 07:00:05年末のご挨拶 – 感謝の気持ちを込めて-
World Fair Trade Dayに想いを寄せて未分類 5月11日は、「世界フェアトレードDay」です。 毎年世界中で 5月の第二土曜日に、フェアトレードをお祝いするイベントが行われる日。 私が2月末に生産国のボリビアに行った時に、訪問先団体の女性たちが「今から5月のフェアトレードディに向けて商品やイベントの準備をしているのよ」と忙しそうに笑顔でお話してくれたので、きっと今月は充実した日々を過ごされていることと思います。 この日をお祝いするにあたり、ボリビアでのお話を少しシェアさせていただけたらと思います。 ボリビアの先住民女性たちとフェアトレードのお仕事を始めたのは、2014年の10年前。ちょうど10年経ちました。出会いに恵まれて学び多き、濃い10年だったと振り返っています。 「2014年に訪問した時、作り手Teofilaさんとお嬢さんとの写真. エルアルトの工房にて、ボリビア.」 「2024年に訪問した時のTeofilaさんとの写真(娘さんは無事独立されていました). 同じくエルアルトの工房にて.」 生産地であるボリビアは、特にラテンアメリカでも貧困国であるため、パンデミック以降フェアトレードのお仕事をもう続けられないと、他の仕事をせざるを得ない状況の中で生計を支えている女性たちの現実も目の当たりしました。 「こちらは大変お世話になったフェアトレード団体マネージャーのEduardoさんご夫婦との写真。パンデミック以降、様々な苦難を乗り越えて今は他のお仕事でご活躍されています。フェアトレードの精神は今のお仕事でも継続しているとお話してくれました」 「フェアトレードの10の原則である”児童労働撤廃や環境に優しい”という条件は、ボリビアのような国にはとてもハードルが高い。欧米からの思想だと思う」という率直な意見も伺うことができました。ここで大切なことは、フェアトレードだけで国際社会が抱える格差是正は難しく、様々な分野の活動とパートナーシップが重要ということです。 今、私が学ぶ大学院の授業で、先日「様々な市民社会運動は、小さなもので、そもそも資本主義、制度、システムを変えるようなものでないとユートピア論にすぎないのではないか」という議論になりました。 その時に若い学生が「運動に、そもそも大小や優越があると言えるのか」 「インパクトや意義に大小があると言えるのか」と問いかけてくれました。 Me,tooも、Black Lives Matter運動も最初はたった一人から始まった運動かもしれないけれど、取組みの前と後では確実に人々の心への変化や気づきがあったと言えるのではないでしょうか。 たった一人の声、あるいは少人数による小さな活動を、小さいとくくってしまうのは、「人間性よりも大きさ」を測る。つまり、社会を生産性ではかってしまう市場経済的な観点にとらわれているのではと気づかされます。 「フェアトレードの仕事を諦めざるを得なかった」と悔し涙を浮かべてお話してくださったボリビアの女性たち。 想いを寄せてくださっているお客様、商品をいつも届けてくださっているショップの皆様、もちろんフェアトレードだけでなく未来を想い活動を忍耐強く続けておられる全ての方々へ、感謝とお祝いの気持ちを綴らせていただきたいと思います。 Happy World Fair Trade day! 猪岡愛佳 ボリビアの愛らしいストリートアート (ボリビア,ラパスにて.2024.2月撮影) 2024年5月12日/作成者: Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg 0 0 Jose https://joel.jpn.org/wp-content/uploads/2022/09/JOEL_Poster_Logo_Blue_A3_140429-212x300-1.jpg Jose2024-05-12 09:48:532024-05-12 15:10:19World Fair Trade Dayに想いを寄せて
一日一日を再生し続ける人々 -ボリビアの女性たちとのLived experiences-
未分類暑い日々が続いておりますが、お元気でしょうか?
今年の夏、ボリビアと日本を繋いでこられた素敵な女性たちと出逢いました。
ひとりは『ラパスの青い空』の著者、下村泰子さん。
もうひとりは、同じくボリビアの女性たちの手仕事を応援する活動をされてきた高橋由子さん。
JOELに繋がる人たちの中に、きっと見知らぬ土地で出会った人たちに、
あたたかく受け入れてもらえたような、
心熱くなるご経験をされた方々が少なくないと思います。
泰子さんの本を開くと、そんなご経験をされた日々、そしてページの向こうに広がるのは、標高3,600メートル以上あるラパスの青く広大な空と、色鮮やかな織物を織りあげる女性たちの姿が目に浮かんできます。
女性たちのおしゃべり
冷たい夜に飲むマテ茶の温かさまで伝わってくるようで、
読みながら胸の奥に懐かしい風が吹き抜けました。
著者の泰子さんは、ボリビアでのご経験(Lived experiences)を色々な人に読んでもらうことで、一層広がったり、深まったり、そんな風に分かち合えたら、と手紙を綴るようなお気持ちで執筆されたそうです。
「長い歴史を通じて逆境にみまわれ続けてきたボリビアの人たちが、それを乗り越えていく過程でみがいてきた「生きる」ことに対する姿勢が、その時々の表情に表れているのです。彼らはまさに、一日一日を再生し続けている人たちでした」という部分が特に印象的でした。
本の中に描かれた「その時」を生きる様は、暮らしを編み込み、分かち合う人々の強さと優しさがあったからだと思います。
そして、由子さんは、長年ボリビアの女性たちが手作りした商品を日本で販売する活動をされており、JOELと分かち合えることが多く、話が尽きませんでした。
そんなお二人にお会いし、ボリビアでのご経験についてお聴かせていただき、心より感謝申し上げます。
今、改めて思うのは「lived experience(生きた経験)」の力です。
それは数字や肩書きでは語れない、一人ひとりの人生に刻まれた時間の積み重ね。喜びや痛み、手の感触やその時目にした景色、誰かと交わし合った言葉 – そうしたまっすぐな経験が、文化を育み、人と人をつなぐ礎になっているのだと思います。
皆さんにとって人生を変えるような大切にしている“lived experience”はどんなものですか?
JOELの活動と共に、研究している「社会的連帯経済」
難しくて毎日頭を抱えていますが、
その本質は、人間らしく生きることをあきらめないこと。
人と人との支え合いを取り戻す挑戦なのだとお二人との出会いを通じて改めて気づかされました。
ボリビアの青い空の下で生まれたものづくりが、
これからも、皆さまの日常にあたたかな希望の光をお届けできますように✨
年末のご挨拶 – 感謝の気持ちを込めて-
未分類日頃より JOËLをご支援いただき、心より感謝申し上げます。
本年も、遠くアンデス地域からお客様へ、人や地球への「想い」をお届けすることができました。
今年も活動を通じて素敵な出逢いに恵まれ、皆様から「生きる力」をいただきました。
本当にありがとうございました。
また、念願だった作り手の国であるボリビアへ訪れることが出来、実りある年になりました。 今後のこと、新しい商品の相談も大切ですが、 パンデミック中、どのような経験をして、今だから話せる気持ち、そして、どのように歩もうとしているかをお互いに分かち合えた大切な時間でした。
「売れるデザイン」づくりが難しい生産者は、例えエシカルやフェアトレードであっても活動自体が市場から消えてしまう・・という現状に対し、まだまだ持続可能な経済に向けて取り組むべきことが沢山あると言えます。
リサーチと実践現場の声をいかに繋げていくか、まだまだ模索中です。
これらの活動が続けられるのは、お気持ちを寄せてくださるお客様、お取り扱い店様をはじめとするお仲間、友人達、見守ってくださる皆様のおかげです。皆様とのご縁を大切に活動を続けていけたらと願っております。
来年も引き続き、サステナブルなものづくりを通じ、人々が尊厳をもって生きられる社会を目指してまいります。
年末にあたり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
We appreciate all of your cooperation this year.
We wish you a joyous holiday season and a New Year filled with peace, hope and happiness!
2024年大晦日
JOËL 猪岡 愛佳
PS. 以下、ボリビアの連帯経済支援団体に描かれた壁画と共に♪ 良いお年をお迎えください!
女性たちが尊厳や自由を訴えているように表現されており、その力強さに魅かれます)
World Fair Trade Dayに想いを寄せて
未分類5月11日は、「世界フェアトレードDay」です。
毎年世界中で 5月の第二土曜日に、フェアトレードをお祝いするイベントが行われる日。
私が2月末に生産国のボリビアに行った時に、訪問先団体の女性たちが「今から5月のフェアトレードディに向けて商品やイベントの準備をしているのよ」と忙しそうに笑顔でお話してくれたので、きっと今月は充実した日々を過ごされていることと思います。
この日をお祝いするにあたり、ボリビアでのお話を少しシェアさせていただけたらと思います。
ボリビアの先住民女性たちとフェアトレードのお仕事を始めたのは、2014年の10年前。
ちょうど10年経ちました。
出会いに恵まれて学び多き、濃い10年だったと振り返っています。
同じくエルアルトの工房にて.」
生産地であるボリビアは、特にラテンアメリカでも貧困国であるため、パンデミック以降フェアトレードのお仕事をもう続けられないと、他の仕事をせざるを得ない状況の中で生計を支えている女性たちの現実も目の当たりしました。
パンデミック以降、様々な苦難を乗り越えて今は他のお仕事でご活躍されています。フェアトレードの精神は今のお仕事でも継続しているとお話してくれました」
「フェアトレードの10の原則である”児童労働撤廃や環境に優しい”という条件は、ボリビアのような国にはとてもハードルが高い。欧米からの思想だと思う」という率直な意見も伺うことができました。
ここで大切なことは、フェアトレードだけで国際社会が抱える格差是正は難しく、様々な分野の活動とパートナーシップが重要ということです。
今、私が学ぶ大学院の授業で、先日「様々な市民社会運動は、小さなもので、そもそも資本主義、制度、システムを変えるようなものでないとユートピア論にすぎないのではないか」という議論になりました。
その時に若い学生が「運動に、そもそも大小や優越があると言えるのか」
「インパクトや意義に大小があると言えるのか」と問いかけてくれました。
Me,tooも、Black Lives Matter運動も最初はたった一人から始まった運動かもしれないけれど、
取組みの前と後では確実に人々の心への変化や気づきがあったと言えるのではないでしょうか。
たった一人の声、あるいは少人数による小さな活動を、小さいとくくってしまうのは、「人間性よりも大きさ」を測る。つまり、社会を生産性ではかってしまう市場経済的な観点にとらわれているのではと気づかされます。
「フェアトレードの仕事を諦めざるを得なかった」と悔し涙を浮かべてお話してくださったボリビアの女性たち。
想いを寄せてくださっているお客様、商品をいつも届けてくださっているショップの皆様、
もちろんフェアトレードだけでなく未来を想い活動を忍耐強く続けておられる全ての方々へ、
感謝とお祝いの気持ちを綴らせていただきたいと思います。
Happy World Fair Trade day!
猪岡愛佳